今年も出会えました!生あんず。あんずの季節は2週間ほど、いつもうっかりしているうちに過ぎてしまうんですが…今年はきれいな大玉のあんずを、アンテナショップで買うことができました。本日は、生あんず「山形3号」をいただきます。
山形3号
こちら「山形3号」は、品種的には山形生まれ、昭和初期から長野県でも栽培されている品種です。酸味も強いですが、甘味もある品種なので、生食も可能とのこと。長野県生まれの甘味の強い生食用あんず「信陽」の親品種でもあります。
本日のあんずは、長野県千曲市から。
千曲市はあんずの一大産地。中でも、森地区と倉科地区は「あんずの里」と呼ばれていて、春には「一目十万本」といわれるほどの、あんずの花が咲くんだとか。
千曲市のあんずの栽培は、なんと江戸の元禄時代から。伊予宇和島藩主 伊達宗利公の娘 豊姫が、松代藩主 真田幸道に嫁いだ際、故郷を偲ぶ品としてあんずの種子を持ってきたのが始まりだと言われています。
ちなみに、豊姫は伊達政宗の曽孫にあたり、真田幸道は真田幸村(信繁)の、お兄さん(信之)のお孫さん。大阪夏の陣では、真田幸村は娘を、伊達政宗の側近 片倉小十郎に託していますので、真田家と伊達家の繋がりがここにもあったのかと、ちょっと胸熱になる歴史でもあります。
今年のあんずは、春先の霜の影響で収穫量がとても少ないだとか。去年も少なかったのですが、今年は更に半分くらい?貴重なあんずになっています。
あんずのパックには、なんと農家さんからのお手紙付き!色が濃いオレンジになって、香りが強くなったら食べごろとのこと。杏は熟しやすいので、半日で状況が変わっていくとのこと。熟したら早めに食べるようにとのことでした。
うん、緑のところもないし、ちょうどいい色、食べごろですね!去年は大切にしすぎて、何日も冷蔵庫に置いて、ぼんやりした味にしちゃったので…あんずは冷蔵庫でも2日くらいで食べた方がいいらしいです。今年は早めにいただきます!
くぼみに沿ってぐるりとナイフを入れると、簡単に半分に割ることができました。これも山形3号の特徴で、種と身が離れやすいそう。ふわりと桃にも似たいい香りが広がります。皮は剥かなくても大丈夫。このままパクリといっちゃいます。
食べてみると、うん!甘い!?すごい。あんずってこんなに甘かったっけ?!というくらいしっかりとした甘さがあります。後半に、あんず特有の爽やかな酸っぱさが。これこれ、この酸味が今の季節にぴったりで、ジメジメを吹き飛ばしてくれます。よく熟しているのか、歯ごたえも柔らかめ、肉厚で食べ応えがありました。
去年食べたあんずは、もっとキュッとなるくらい酸っぱかったのですが、品種によるところが大きいのかも。あと、しっかり完熟なので、今がちょうど甘味MAXなのかもしれません。本当に、きれいな色きれいな玉の完熟あんず。作るの大変だったろうなと…農家さんありがとうございます!と言いたくなってしまいます。
生のあんずが出回るのは、6月下旬〜7月上旬のみ。日持ちもしないので、見つけたら、すぐに楽しむか、ジャムやシロップ漬けなどに加工するかですね。おいしくて、加工する前に全部食べてしまうのですが…
どうやら品種によっても、かなり味が違いそうなので、ぜひ別の品種も食べてみたいと思いました。運良く出会えたら、ですが。今年もおいしかったです、ごちそうさまでした!
情報
あんず(千曲市産)
名称 :山形3号
原産地:山形県。昭和初期から長野県でも栽培。
分類 :早生種
収穫期:6月下旬
外観:重さは60gほどの中玉。形は円形。
色は黄色がかった橙色。
味 :酸味強め。甘味もあり。
甘味もあるので生食が可能。加工用としても利用される。
生食用品種「信陽」の親品種。
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